VOD(動画配信サービス)を本音でレビュー|dTV(ディーティビー)を選ぶ価値はある?
VOD(動画配信サービス)を提灯記事でなくリアルにシビアに語っていくこのシリーズ、今回は『dTV(ディーティビー)』を取り上げます。
日本VODシェアトップの実力は?
dTVは、大手キャリアNTTdocomoと音楽業界の大手エイベックスが運営するVOD(動画配信サービス)。
VOD国内シェアのNo.1を長年キープし続けていることでも知られています。
dTVがシェアトップの位置にあるのは、こちらも国内最大シェアのdocomoキャリアの提携サービスだったことも大きな理由で、ちょっと尻馬っぽいバブル感と言うか上げ底感を感じさせるのは否めませんね。
とはいえ、それに安住せずにユーザー満足度を高めるべく積極的な戦略を展開している点は評価できます。
ちょっと伸び悩み?
「安くてそれなりに楽しめる動画がそろっている」というのは、特にビギナーやライトリスナーにはそれだけで大きな魅力になります。
だからこそ需要が尽きないんでしょうが、VOD利用者が増えている中でdTVは伸び悩んでシェアが少しずつ低下しているようです。
VOD戦国時代をサバイヴするには、何かひとつでも強烈なメリットや個性やがあったほうがいいのかもしれません。
《dTV(ディー・ティー・ヴィ)》の基本情報
月額料金(税抜):500円
ポイントバック:ナシ
無料トライアル:31日間
配信システム:定額配信+有料レンタル
作品数:120,000本以上
配信ジャンル:オールジャンル
独自ジャンル:オリジナル作品,音楽PV・ライヴ,演劇,フィットネス,ショートフィルム
提携/関連TV局:ナシ
レンタル料金目安:映画 200~500円,ドラマ 150~円/1話
同時視聴:不可
ダウンロード視聴:可
倍速視聴:可
最高画質:4K(一部のみ)
決済方法:カード,docomo決済
dTV|システム/スペックはどうなの?
dTVはdocomoキャリアの動画サービスと言うところからスタートしているため、モバイル端末での個人視聴がベースになっています。
さらに低料金と言うこともあってか、スペック面では必要最小限度のものに止まっています。
テレビで利用できるデバイスがかなり限定される、高画質対応が進んでいない、同時視聴ができないなど、ハイスペックなVODの比較すると大きく見劣りしますが、あくまで低料金&モバイル視聴メインと言う前提条件の範囲内であれば、UIも完成されていて特に問題を感じません。
特筆すべきなのは倍速視聴対応であること。VODの中でも数少ない貴重な機能なので、これは大きなアドバンテージになります。
➡スペックは必要十分程度、倍速再生は魅力!
dTV|コンテンツはどうなの?
dTVは月額500円と言う格安料金ながら、12万本以上が見放題と言う定額配信としては最高水準の作品数を誇っています。
実際にほとんどのジャンルが水準以上のラインナップで、海外ドラマも純国産VODとしては健闘しているので満足度はナカナカのものです。
しかし、J-POPのPVやカラオケからフィットネスビデオ,ニュース動画,2.5次元や舞台動画、さらには出典不明のショートフィルムなど取り扱いカテゴリが多いため、散漫になって実数ほどのボリュームが感じられない弱点がありますし、リスナーによっては水増しと捉えられても仕方ありません。
また、オリジナルのドラマや映画も健闘してはいますが、今のところ目玉として独自性や影響力を持ち得るレベルではありません。
そのためVODのタイプとして共通要素が多いHuluやU-NEXTが完全な上位互換として立ちはだかることになり、料金以外では大きく見劣りしてしまいます。
➡作品は一般層向けで浅く広くだが、料金以上の見所はある!
dTV|コスパはどうなの?
破格の料金と配信作品の充実度の高さを考えれば、そのコストパフォーマンスの優秀さは間違いありません。
コンテンツに手を抜いて特典や付帯サービスに頼ることなく、定額配信コンテンツのみでも高い満足度を達成している点は評価すべきでしょう。
コストはかけたくないけれど、色々な動画が見れて満足度の高くあまりマニアックではないVODを探している人にとっては、dTVは最適かもしれません。
➡コスパは良好だが決め手に欠ける?
dTV|メリット・デメリットをまとめてみた!
メリット|dTVのここが魅力!
● 業界最安に近い料金
● 作品数が多いジャンルも豊富
● 倍速視聴ができる
デメリット|dTVのここが微妙!
● 同時視聴ができない
● 映画ラインナップがやや弱い
● 無料トライアル期間が短い
dTVの魅力は、結局のところ「料金の割に作品数が多くてクオリティもそこそこ」という点につきます。
海外作品も国産作品もバランスよくそろっているので、リスナーを選ばないオールマイティーさも大きなメリットです。
いろいろなジャンルの面白い作品を見たいけれど、HuluやU-NEXTほどの料金は払いたくないと言う人にはうってつけです。
➡コストを抑えていろいろ見たい人にはメリット大!
総評|dTVのまとめ!
dTVはVODのエントリークラスとしてはかなりの完成度ですが、それは裏を返せばあくまで「そんなに悪くはない廉価版」止まりでしかないということ。
ビギナーやライト層などの消極的なリスナーには絶好のサービスですが、こだわりを持ったリスナーは絶対に物足りなくなります。
作品の充実度と満足度にこだわるなら数百円プラスで見所満載のHulu利用できますし、作品に加えて高画質やハイスペックにこだわるなら上位互換のU-NEXT一択、もっとマニアックな作品が見たければNetflixがあります。
Amazonプライムビデオやauビデオパスのように、動画を見なくても元がとれるような付帯サービスやスペシャルな特典は無くオリジナル作品も見所は薄いので、他には無いメリットを求めてセカンドVODとして加入する意味はあまり無いでしょう。
「低料金の割には…」というエクスキューズに頼らず評価できるくらいにならなければ、シェアトップの座を守り続けるのは厳しいかもしれません。
➡こだわりがない人にはオススメ、こだわりが強い人は物足りないかも!