【アニメレビュー】『おそ松さん』に続けるか? 傑作ギャグ漫画の最新アニメシリーズ!【深夜天才バカボン】を全話無料視聴!《動画配信サービス》

shinya_tensai_bakabon_image



『深夜天才バカボン』は国民的ギャグ漫画「天才バカボン」のアニメ化作品。原作者の赤塚不二夫さんが亡くなって以来初のアニメ化で、通算5作目となるシリーズです。

現在的なポップなアレンジとメタネタも多用するなど比較的攻めたギャグで、アニメシリーズが記録的大ヒットとなったのが、同じ赤塚不二夫さん原作の『おそ松さん』。

その勢いに乗っかってひと山当てようとばかりに、なんと前回のアニメシリーズ『レレレの天才バカボン』から18年ぶりにテレビアニメされました。

絵柄も原作に近いタッチながら『おそ松さん』のようにポップな色使いで、古臭さを感じさせない絵作りににしようとしています。

 

『深夜天才バカボン』はこんなお話!

あらすじなんか語っても意味ないんですが、クレージーバカボンパパを中心に、のんきなバカボン、天才幼児のはじめちゃん、包容力の塊バカボンママのバカボン一家を中心に、レレレのおじさん・ウナギイヌ・目玉つながりの本官さんといったおなじみのキャラクターが、ドタバタやナンセンスなど様々なスタイルでお笑いを繰り広げるギャグ漫画です。

 

『深夜天才バカボン』制作の契機になった大ヒット作『おそ松さん』!

さて、どうあがいても同じ原作者に同じテレビ東京の深夜枠ということで、引き合いに出されるのは避けられない『おそ松さん』。

個人的にもそれなりに楽しんでは見たのですが、同時期にヒットした『ポプテピピック』も同様に、世間の高評価ぶりはやや過大評価が過ぎる印象を受けましたし、それほど斬新な作品とも思えませんでした。

おそ松さん』にヒットは、深夜枠ならではのターゲットの年齢層を上げた下ネタや自虐ネタを交えたややエッジの効いた風のギャグに加えて、よく言われる女性ファン受けのいい人気声優勢ぞろによる芸人コント的なやりとりのわかりやすさが大きな要因だと思います。

それなりに楽しんで見ていたのですが、『シンプソンズ』や『サウスパーク』などの本気で全方位的に攻めまくった米国カートゥーン系の大人向けアニメに馴染んできた人には、それほどの斬新さは感じられないものです。

『深夜天才バカボン』は『おそ松さん』に追いつけるのか?

もはや完全に沈静化してオワコン化している『おそ松さん』も、当時はさすがに社会現象とまでいうのはあまりにもおこがましいですが、キャラグッズやタイアップグッズも売れまくりで勢いがありました。

流れ的にも企画的にも二匹め決めのドジョウ狙いとしてなのは間違いありませんし作り手もそれを隠していません。それだけに注目を集める反面、リスナーの見る目や評価基準がシビアになるのは免れないとことですね。

『深夜天才バカボン』の実験的作風は過去の名作に挑めるレベルなのか?

スタイル的にはキャラクター主体のドタバタギャグに終始していた『おそ松さん』と比較すると、『深夜天才バカボン』はより実験的な作風になっています。

デッドプール』人気に便乗したようなメタ的なギャグや『ポプテピピック』のような声優ギャグから、絵柄チェンジギャグ・別の作品キャラを使ったパロディギャグもあり、また俳優やミュージシャンなどが本人役としての登場するなど、なかなか多彩で攻めた内容を見せつけようとしています。

もともと原作自体がナンセンス・パロディ・メタ・実験ギャグとなんでもありだったわけで、ある意味では原作の方向性にリスペクトしているといえるかもしれません。これで面白ければ最高なんですよね!

しかし、それも今ではメタギャグや実験ギャグのマンガとしては、赤塚さん以降にも「唐沢なをき」さんという実験マンガの金字塔が存在するわけですが、媒体やターゲットに大きな差があるとはいえ、『深夜天才バカボン』ではその足元にも及んでいません。

また、アニメでも上で触れた『シンプソンズ』や『ティーンタイタンズGO!』など、ズッと前にはるか上の高みに達した作品を先に目にしてしまうと、斬新さや目新しさは全く感じられません。

結局、『深夜天才バカボン』って面白いの?

この『深夜天才バカボン』、ネットのレビィーなどをつらつら見てみるとあまり評判よろしくありません。そこでよく言われるのが、「テレビのバラエティー番組っぽい」ということです。

確かに楽屋で悪ノリしながらネタを出したような印象があり、そのノリが受け入れられるかどうかでも評価が分かれそうです。

また、この楽屋ノリ的な悪ノリ感ですが『キルラキル』あたりでも感じられたもので、この両作品には制作の中心が演劇畑の人だという共通点があります。

それが演劇畑の人が参加していることによるのかどうかはこの2作品だけでは判断できませんが、他にいくつか例が出てくれば演劇系ギャグの傾向と言ってもいいかもしれません。

結論としては、ギャグとして斬新でもなければ、たいしてレベルの高いものでもないことは確かですが、こういった作風に初めて触れるリスナーならば、あるいは新鮮に感じられ単純に面白がれるかもしれませんし、期待値を上げなければヒマつぶし程度には楽しめるかもしれません。

軽い気持ちで適当に流し見することをオススメします。