【アニメレビュー】アンゴルモア 元寇合戦記|『元寇』テーマの歴史アクションアニメは面白いのか? 《動画配信サービスで全話無料視聴!》

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作歴史モノとしてはレアな『元寇』がテーマの歴史アクションアニメ!

なんとなく歴史モノが見たいな…と思った時に、Amazonプライムビデオで以前この作品が見つけて登録しておいたのに気づいて全話見てみました。

アンゴルモア 元寇合戦記』は元寇文永の役・1274年)のときの対馬での戦いを舞台にした、たかぎ七彦さんによるマンガを原作にしたアニメ作品です。

アンゴルモア 元寇合戦記』はどんなお話?

鎌倉幕府によって対馬に流刑されてきた元御家人の朽井迅三郎は、自分たちが蒙古軍と最前線で戦うために流されてきたことを知らされる。

島に続々と攻めてくる千を超える蒙古軍の軍勢に対して、対抗する朽井ら曲者ぞろいの流人達と輝日姫・宗助国はじめとした対馬を統べる「宗氏一族」、さらに“白村江の戦い”時代の防人の末裔「刀伊祓(といばらい)」をも交えて、7日後に来るはずの援軍に望みを託して抗戦していく。
というお話です。

歴史マンガ/アニメ戦国時代を勝ち抜けるか?

「キングダム」をはじめとした作品が商業的な成功を収めて以来、マンガ業界では1誌に1作はあたりまえ、場合によっては1誌に2作以上もの作品を連載されるくらいの勢いで増え続けてきた史実ベースの歴史モノマンガ。『アンゴルモア 元寇合戦記』はその流れで生まれてきた、WEB連載マンガを原作を元にしたアニメ作品です。

最近では、戦国時代,幕末,三国志時代といった何度も使い古された時代/テーマを避けて他の作品とかぶらないように、これまであまり取り上げられることがなかった時代を舞台にする傾向があります。
この作品も続々登場してきたそれらのニッチ系歴史マンガのひとつですが、そういう業界的な事情があるにせよ、あまりテーマになることがなかったレアな時代や舞台を取り上げている点は評価できます。

飽和した歴史モノ!どんなアプローチで攻めるのかが問題!

歴史モノとひとくちに言って、もそのアプローチや切り口はいろいろあります。
アンゴルモア 元寇合戦記』はどちらかといえば「キングダム」などに近い、史実テーマながらキャラクター造形などはマンガ的ファンタジー要素が強く、派手なバトルアクションをメインにした少年マンガノリの作品という印象ですね。

軍事力や人の数で圧倒的な差がある状況を、外部から来たプロフェッショナルや特殊技能持ちのキャラクターが、地の利や機転・特殊技能を活かして切り抜けていくというストーリーは、大河ドラマ的な史劇モノというよりも「七人の侍」などに代表される定番プロットです。
そのシチュエーションから、森秀樹さんも漫画化した「墨攻」などを思い起こさせたりもしますね。

アンゴルモア 元寇合戦記』の映像ビジュアルはどうなの!

絵柄については80年代末〜90年代にあふれかえっていた、『アキラ』大友克洋さんに影響を受けた、“大友チルドレン”系のタッチです。

作者はそんなに年季の入ったベテランというわけでもでもなさそうなのに、いまどきこんなタッチをというのも珍しいですが、とりあえず影響受けてますという程度で、特にオリジナリティがあったり画力が高かったりと言うわけもなく、それをほぼそのままアニメ化しているのでビジュアル的な魅力は薄いですね。
主人公始め男性キャラは劇画タッチなのに、女性キャラだけアニメっぽい(それも微妙に野暮ったい)デザインなのも違和感が残ります。

こういう絵こそアニメならではのアレンジをほどこすべきじゃないかととも思うんですが、こういう歴史物の場合は変にイマドキの絵になるくらいなら、このくらいアカ抜けないままの方がちょうどいいのかもしれません。

歴史物を意識してか、和紙っぽいテクスチャーを画面に重ねているのですが、ただエフェクト的に常にキャラから背景まで全体にかかっているので、逆に安っぽく見えるのも残念なところです。

結局『アンゴルモア 元寇合戦記』はオモシロイの?

結論から言うと、何かするついでにながら見したり、他に見るものがなくなった時に倍速で流し見する程度の視聴にはちょうどいい感じですが、じっくり腰を据えて見るほどかというと微妙です。

この『アンゴルモア 元寇合戦記も現在主流の1クール制のシリーズなので、当然のように完結まで持っていけるわけでもなく、一区切りのエピソードだけで終わってしまいます。

また、続きが気になって原作本を買うほどかというと、残念ながらそれほどのものでもありません。

とはいえ、バトルアクション系の作品として一定ラインはクリアしているので、仕事や作業をしながら軽いノリで見る分にはそれなりに楽しめると思います。