VOD(動画配信サービス)を本音でレビュー|Amazon(アマゾン)プライムビデオを選ぶ価値はある?
VOD(動画配信サービス)を提灯記事でなくリアルにシビアに語っていくこのシリーズ、今回は『Amazon(アマゾン)プライムビデオ』を取り上げます。
「コスパ最強」「コスパモンスター」伝説は真実?
Amazonプライムビデオ(以下プライムビデオ)といえば、料金最安VODとは思えない付帯特典/サービスの充実ぶりから「コスパ最強」だの「コスパモンスター」だのと呼ばれています。
比較的辛口なこのサイトですが、プライムビデオについてはこれら巷の評価にほぼ同意するしかありません。
動画配信サービス・音楽配信サービス・電子書籍サービス・ショッピング送料無料・フォトストレージなどのサービスが月々325円(年間契約の場合)で利用できるわけですから、破格と言っても言い過ぎではありません。
コスパを支える付帯サービスの秘密は
改めて言う必要もないですが、プライムビデオは他のVODと違い総合的なWebサービスを行うECサイトAmazonの有料会員プランAmazonプライムに付帯するいくつものサービスのひとつという、例外的な立ち位置の特殊なVODです。
プライムビデオ自体は、その中でもメインサービスと言ってもいい存在ですが、それ以外のサービスは送料無料にしても音楽配信にしても電子書籍にしても、上位の有料サービス加入や商品購入への足がかりとしなる、お試し/販促要素が強い特典です。
そういったビジネス的なメリットがある上に、すべてAmazonの幅広いコンテンツやシステムでまかなえるからこそ、これだけの特典をまとめて付帯させることができるわけです。
《Amazonプライム・ビデオ》の基本情報
料金(税抜):年会費4,900円(実質月額408円)/月払い500円
ポイントバック:ナシ
無料トライアル:31日間
配信システム:定額配信+有料レンタル/販売(Amazonビデオ)
作品数:64,000本以上(見放題:10,000〜15,000本)
配信ジャンル:オールジャンル
独自ジャンル:オリジナル作品
提携/関連TV局:HBO
レンタル料金目安:映画 100~400円,ドラマ 150~円/1話,アニメ 108~/1話
購入料金目安:映画 500~円,ドラマ 1,000円~/1シーズン
同時視聴:3台まで(個別アカウントなし)-同一動画の同時視聴は不可
ダウンロード視聴:可
倍速視聴:不可
最高画質:HD
決済方法:カード
付帯サービス/提携サービス:配送料無料,Prime Music(音楽配信),プライムフォト(フォトストレージ),Kindle(電子書籍),各種割引,Amazonビデオ(動画レンタル) etc
Amazonプライムビデオ|システム/スペックはどうなの?
まず、料金は2019年に値上げになってしまいましたが、それでも間違いなくVOD中最安レベルです。月額プランなら毎月500円ですが、年間プランなら4,900円で1ヶ月あたり約408円なので月額500円のdTVすら大きく下回ります。
世界的な大手VODなので、UIはもちろん配信スペックなど機能面についても水準以上です。
やや作品を探しづらい気もしますが許容範囲ですし、サブアカウントこそ作れないものの、この料金で同時視聴も可能なのは高ポイント。
また、プライムビデオ自体は完全定額制ということになっていますが、動画レンタル/販売サービスのAmazonビデオと同じプラットフォームなので、実質的にはレンタルも可能ということになります。
➡️料金を考えれば必要にして十分のスペック!
Amazonプライムビデオ|コンテンツはどうなの?
強烈に押し出せる目玉があるわけではないですが、各ジャンルとも海外系/国産問わずそれなりに見所がありますし、メジャー作からどマイナーまでと多彩でバランスも悪くありません。
Netflixほどではないものの、ドラマやバラエティはオリジナル作品にもかなり力を入れているので、独自性が強いという重要ポイントもあります。
ボリューム的には、Hulu・Netflix・U-NEXTの3強を相手にするとさすがに大きく見劣りしますが、それ以外で比較するならライバルと言える存在はdTVくらいのものでしょう。
公表作品数はdTVの方が上回っていますが、体感的にはそんなに大きな差は感じません。
一般受けメジャー路線のdTV対マニアもターゲットに入れたこだわり路線のプライムビデオ、といった構図でちょうどHuluと、Netflixの関係に似ていますね。
ただし、Netflixよりは一般受けするわかりやすさも持っています。
➡️他では見れない作品も多く料金以上の価値あり!
Amazonプライムビデオ|コスパはどうなの?
Amazonプライム特典の中でも、プライムビデオは料金無料サービスと並んで特に価値の高いサービスです。ショッピングしかしない、動画しか見ないという人でも、活用すれば料金相応以上メリットがあります。
しかも、その他のサービスも活用できれば、コストパフォーマンスはさらに大きく跳ね上がります。
Amazon MUSIC UnlimitedやKindle Unlimitedの単体利用を考えている場合、Amazonプライムと併せて加入すれば割引適用で単体料金とほぼ変わらない金額なので、あえて加入しない理由はありません。
➡活用できればコスパは無限大にUP!
Amazonプライムビデオ|メリットデメリットをまとめてみた!
メリット|Amazonプライムビデオのここが魅力!
● 業界最安の料金
● 動画以外の付帯サービスが充実
● オリジナル作品など独自のコンテンツが多い
◆ デメリット|Amazonプライムビデオのここが微妙!
● 作品数はやや少なめ
● 作品ごとの当たり外れがやや大きい
コンテンツだけを総合的に評価するならもっと充実度の高いVODも存在しますが、個性的なコンテンツ戦略を行っていて強烈な独自性を持っていのが大きな強みです。
オリジナル作品や独占配信・単独での先行配信など他には無い見所が多いので、動画だけを目当てにでも加入しておく価値があります。
もちろん、音楽配信など他のサービスを活用できれば、さらにお得度はアップしますし、そうでなくても月イチ程度のペースでもAmazonのネットショッピングを利用する機会があるのなら、加入しておいて損は無いでしょう。
➡独自のコンテンツが多いのでセカンド/サブのVODとしてもオススメ!
総評|Amazonプライムビデオのまとめ!
他のレビューを見てもわかるように、当サイトは比較的辛口でダメなところはダメという方針なのですが、Amazonについては大きな欠点が見つかりません。
私自身、もともとAmazonユーザーでショッピング利用していたことと、音楽が好きでAmazon Music Unlimitedを利用していることもあって、Amazonプライムは長年利用を続けています。
もちろんもっと作品充実度の高いVODも存在するので、それとと比較すればコンテンツでは見劣りするのは否めないので、VODの利用時間が長い人は単独での利用では物足りないかもしれませんが、それほどでもなければ、プライムビデオだけでも十分に楽しめるでしょう。
私はBGV(バックグラウンドビデオ)としても利用していて視聴時間はかなり長いのですが、VODをプライムビデオもサブのVODとして利用して1〜2ヶ月単位でHuluやNetflix、U-NEXTなどをメインのVODとして利用しています。
今のところこのスタイルがベスト、というのが現時点での結論です。
1年契約というので手を出しそびれているのなら、月額400円1ヶ月単位の契約もできるのでアンチAmazonということでもなければ一度試してみることをオススメします。
➡気になるサービスがあれば加入してみる価値あり!
VOD(動画配信サービス)を本音でレビュー|FOD(エフオーディー)プレミアムを選ぶ価値はある?
VOD(動画配信サービス)を提灯記事でなくリアルにシビアに語っていくこのシリーズ、今回は『FOD(エフオーディー)プレミアム』を取り上げます。
フジテレビ直営のVOD!
FODプレミアムはフジテレビの動画配信FOD(フジテレビオンデマンド)の直系のVOD(動画配信サービス)。
すべての民放テレビ局はどこかのVODと提携していますが、FODプレミアム日本で唯一のテレビ局単独で運営しているVODです。
意外にも付帯サービスいろいろ!
FODプレミアムは見放題の定額配信作品だけでなく、有料のレンタル作品も配信しています。
毎月最大1,300円分のポイントバックがあるので、月に1
それだけでなく、課金なしで100誌以上の雑誌読み放題を含む電子書籍サービス、FOD独自の専門テレビチャンネルを有料オプションでリアルタイム配信、といったサービスも利用できます。
《FODプレミアム》の基本情報
月額料金(税抜):888円
ポイントバック:1,300円分
無料トライアル:1ヶ月間
配信システム:定額配信+有料レンタル
作品数:20,000本以上
配信ジャンル:オールジャンル
独自ジャンル:月額ライブコース(オリジナルネットテレビ)…有料
提携/関連TV局:フジテレビ
レンタル料金目安:映画 300円~700円
同時視聴:5台まで(個別アカウントなし) 同一動画の同時視聴は不可
ダウンロード視聴:可
倍速視聴:不可
最高画質:HD相当
決済方法:Amazon,楽天,yahoo,docomo,au,ソフトバンクのIDで登録/決済
付帯サービス/提携サービス:電子書籍(雑誌読み放題あり)
FODプレミアム|システム/スペックはどうなの?
全体的に良いところもあるけど悪いところもあるといった印象ですが、むしろ良いところがあるのに詰めが甘くて生かしきれていないといったほうが正確かもしれません。
高額のポイントがもらえるのは良いけれど、月3回も決まった日(しかもPC限定)にログインしなければいけない。
ようやくポイント全額をゲットしても、レンタル作品が少なすぎてせっかくのポイントを持て余す。(筆者はやむなく電子書籍と交換していました。)
なんと5台の端末から同時視聴できるけれど、サブアカウントは作れないのでさカウントは共有。
…と言った具合です。
また、今時ダウンロードができないというのも、他のVODに大きく遅れを取っていますし、UI(ユーザー・インターフェース)の作り込みが甘く、使いづらさは目にあまるものがあります。
➡最低限のスペックはあるが、全体的に不親切で欠点が多い!
FODプレミアム|コンテンツはどうなの?
名目上は全ジャンルそろった総合VODとなっていますが、実態はフジテレビに特化したコンテンツです。
実質的にフジテレビのオンデマンド部門なので、それも当然といえば当然ですね。
基本的に海外志向のリスナーにとっては、「見所はゼロでは無いけどほとんど無い」というところです。
国内ドラマ・アニメ・バラエティといったテレビ番組ベースの作品は、フジ作品がほとんどですが充実度はかなりのものですし、邦画もそれなりに見所があります。
大量のレンタルポイントがもらえるのはありがたいですが、レンタル作品があまりに少なすぎて新作などほとんど無いのはガッカリです。
いずれにしても、Netflixとは別のベクトルでリスナーを選ぶコンテンツ構成ですね。
➡フジテレビ作品以外は期待してはいけない!
FODプレミアム|コスパはどうなの?
FODプレミアムの方向性に合うか合わないかで、満足度が極端に変わるVODです。熱心なフジテレビサポーターなら一生付き合っていきたいでしょうが、そうで無い人はあまり価値を見いだせません。
雑誌読み放題と大量のポイントバックは確かに魅力ですが、雑誌が目当てならもっと安くて品揃えの良いサービスがありますし、ポイントもレンタルや電子書籍の選択肢が少なすぎるのでありがたみが薄れてしまいます。
また、動画のレンタル料金が高めなので、高額ポイントとはいえレートはあまり良くありません。
➡フジテレビファン以外にはコスパはイマイチ?!
FODプレミアム|メリットデメリットをまとめてみた!
メリット|dTVのここが魅力!
● フジテレビファンにはオアシス
● お得すぎる最大1,300円分のポイントバック
● 雑誌最新号(100タイトル)読み放題
デメリット|FODプレミアムのここが微妙!
● フジ作品以外に見所が無い
● 大量ポイントを使う選択肢が少ない
● ダウンロードできない
● レンタル作品少なすぎ
完全にフジテレビ作品に特化したVODなので、フジテレビ作品に見たいものが多いか、フジテレビ自体に思い入れがあるかどうかなどで評価は両極端に分かれます。
せっかくのポイントバックもレンタル作品が少なくて宝の持ち腐れですが、電子書籍にも利用できるのでお値打ち感はそれなりにありますし、100誌以上の雑誌読み放題もなかなか魅力的なので、どちらも活用できればメリットは大きくなります。
➡フジテレビ作品と電子書籍に絞ればそれなりにメリットもある?!
総評|FODプレミアムのまとめ!
何度も語ってきたようにフジテレビ特化型のVODで、運営側もそれでヨシとしている感があるので、短期的ならともかく長期的に楽しめるのはフジテレビに選ばれしリスナーに限られます。
決して万人向きとは言えませんが、国産コンテンツがメインな分だけ、海外志向の強いNetflixなどよりもこちらの方が受け入れられやすいかもしれません。
フジテレビに興味の無いリスナーにとっては、他のVODには無い作品も多かったりするとはいえ、やはりコンテンツ面の魅力は薄いのでキツめの評価になります。
ポイントバックや雑誌読み放題付を活用できれば加入する価値がないわけではありませんが、それについては他に優れたサービスがいくらでもあるので、積極的に選択肢に入れる必要はないでしょう。
購入した電子書籍は退会後も読むことができるので、無料トライアルからスタートしてポイントで見たいレンタル作品や読みたい電子書籍があるうちは加入を続けておく。というのがカシコイ利用法ですね。
➡無料トライアルで自分に合っているか確認してみよう!
VOD(動画配信サービス)を本音でレビュー|dTV(ディーティビー)を選ぶ価値はある?
VOD(動画配信サービス)を提灯記事でなくリアルにシビアに語っていくこのシリーズ、今回は『dTV(ディーティビー)』を取り上げます。
日本VODシェアトップの実力は?
dTVは、大手キャリアNTTdocomoと音楽業界の大手エイベックスが運営するVOD(動画配信サービス)。
VOD国内シェアのNo.1を長年キープし続けていることでも知られています。
dTVがシェアトップの位置にあるのは、こちらも国内最大シェアのdocomoキャリアの提携サービスだったことも大きな理由で、ちょっと尻馬っぽいバブル感と言うか上げ底感を感じさせるのは否めませんね。
とはいえ、それに安住せずにユーザー満足度を高めるべく積極的な戦略を展開している点は評価できます。
ちょっと伸び悩み?
「安くてそれなりに楽しめる動画がそろっている」というのは、特にビギナーやライトリスナーにはそれだけで大きな魅力になります。
だからこそ需要が尽きないんでしょうが、VOD利用者が増えている中でdTVは伸び悩んでシェアが少しずつ低下しているようです。
VOD戦国時代をサバイヴするには、何かひとつでも強烈なメリットや個性やがあったほうがいいのかもしれません。
《dTV(ディー・ティー・ヴィ)》の基本情報
月額料金(税抜):500円
ポイントバック:ナシ
無料トライアル:31日間
配信システム:定額配信+有料レンタル
作品数:120,000本以上
配信ジャンル:オールジャンル
独自ジャンル:オリジナル作品,音楽PV・ライヴ,演劇,フィットネス,ショートフィルム
提携/関連TV局:ナシ
レンタル料金目安:映画 200~500円,ドラマ 150~円/1話
同時視聴:不可
ダウンロード視聴:可
倍速視聴:可
最高画質:4K(一部のみ)
決済方法:カード,docomo決済
dTV|システム/スペックはどうなの?
dTVはdocomoキャリアの動画サービスと言うところからスタートしているため、モバイル端末での個人視聴がベースになっています。
さらに低料金と言うこともあってか、スペック面では必要最小限度のものに止まっています。
テレビで利用できるデバイスがかなり限定される、高画質対応が進んでいない、同時視聴ができないなど、ハイスペックなVODの比較すると大きく見劣りしますが、あくまで低料金&モバイル視聴メインと言う前提条件の範囲内であれば、UIも完成されていて特に問題を感じません。
特筆すべきなのは倍速視聴対応であること。VODの中でも数少ない貴重な機能なので、これは大きなアドバンテージになります。
➡スペックは必要十分程度、倍速再生は魅力!
dTV|コンテンツはどうなの?
dTVは月額500円と言う格安料金ながら、12万本以上が見放題と言う定額配信としては最高水準の作品数を誇っています。
実際にほとんどのジャンルが水準以上のラインナップで、海外ドラマも純国産VODとしては健闘しているので満足度はナカナカのものです。
しかし、J-POPのPVやカラオケからフィットネスビデオ,ニュース動画,2.5次元や舞台動画、さらには出典不明のショートフィルムなど取り扱いカテゴリが多いため、散漫になって実数ほどのボリュームが感じられない弱点がありますし、リスナーによっては水増しと捉えられても仕方ありません。
また、オリジナルのドラマや映画も健闘してはいますが、今のところ目玉として独自性や影響力を持ち得るレベルではありません。
そのためVODのタイプとして共通要素が多いHuluやU-NEXTが完全な上位互換として立ちはだかることになり、料金以外では大きく見劣りしてしまいます。
➡作品は一般層向けで浅く広くだが、料金以上の見所はある!
dTV|コスパはどうなの?
破格の料金と配信作品の充実度の高さを考えれば、そのコストパフォーマンスの優秀さは間違いありません。
コンテンツに手を抜いて特典や付帯サービスに頼ることなく、定額配信コンテンツのみでも高い満足度を達成している点は評価すべきでしょう。
コストはかけたくないけれど、色々な動画が見れて満足度の高くあまりマニアックではないVODを探している人にとっては、dTVは最適かもしれません。
➡コスパは良好だが決め手に欠ける?
dTV|メリット・デメリットをまとめてみた!
メリット|dTVのここが魅力!
● 業界最安に近い料金
● 作品数が多いジャンルも豊富
● 倍速視聴ができる
デメリット|dTVのここが微妙!
● 同時視聴ができない
● 映画ラインナップがやや弱い
● 無料トライアル期間が短い
dTVの魅力は、結局のところ「料金の割に作品数が多くてクオリティもそこそこ」という点につきます。
海外作品も国産作品もバランスよくそろっているので、リスナーを選ばないオールマイティーさも大きなメリットです。
いろいろなジャンルの面白い作品を見たいけれど、HuluやU-NEXTほどの料金は払いたくないと言う人にはうってつけです。
➡コストを抑えていろいろ見たい人にはメリット大!
総評|dTVのまとめ!
dTVはVODのエントリークラスとしてはかなりの完成度ですが、それは裏を返せばあくまで「そんなに悪くはない廉価版」止まりでしかないということ。
ビギナーやライト層などの消極的なリスナーには絶好のサービスですが、こだわりを持ったリスナーは絶対に物足りなくなります。
作品の充実度と満足度にこだわるなら数百円プラスで見所満載のHulu利用できますし、作品に加えて高画質やハイスペックにこだわるなら上位互換のU-NEXT一択、もっとマニアックな作品が見たければNetflixがあります。
Amazonプライムビデオやauビデオパスのように、動画を見なくても元がとれるような付帯サービスやスペシャルな特典は無くオリジナル作品も見所は薄いので、他には無いメリットを求めてセカンドVODとして加入する意味はあまり無いでしょう。
「低料金の割には…」というエクスキューズに頼らず評価できるくらいにならなければ、シェアトップの座を守り続けるのは厳しいかもしれません。
➡こだわりがない人にはオススメ、こだわりが強い人は物足りないかも!
VOD(動画配信サービス)を本音でレビュー|Hulu(フールー)を選ぶ価値はある?
VOD(動画配信サービス)を、アンチ提灯記事の姿勢でリアルかつシビアに語るこのシリーズ、今回は『Hulu(フールー)』を取り上げます。
日本での定額配信サービスの元祖?
HuluはVOD(動画配信サービス)の本場アメリカ生まれで、日本では最古参の本格的VODです。
今ではあたり前になった定額配信システムを本格的に日本に持ち込み、人気が高まりつつあった海外ドラマを目玉コンテンツに据えた当時のHuluには、地上波に厭き厭きしていたハイリテラなリスナーが飛びつきました。
日テレ参加になった影響は?
感度のいいリスナーには支持されたHuluですが、時代が早すぎたのか行き詰まり日本での運営は日テレに買収されることになります。
「Hulu終わった」みたいな空気に包まれここで離れた人も多いかと思いますが、海外ドラマ中心の基本路線は今も継承されていますし、国産コンテンツの二枚看板になったことで結果的には幅広い支持を得ました。
《Hulu(フールー)》の基本情報
月額料金:933円(税抜)/1,026円(税込)
無料トライアル:2週間
配信システム:完全定額制
作品数:50,000本以上
配信ジャンル:オールジャンル
独自ジャンル:リアルタイム配信…全17ch【FOXチャンネル,スポーツ,アニメ,ニュースetc】
提携/関連TV局:日本テレビ
同時視聴:不可
ダウンロード視聴:可
倍速視聴:不可
最高画質:HD
決済方法:クレジットカード,デビットカード,キャリア,プリペイド etc
Hulu|システム/スペックはどうなの?
特筆するほど優れた部分があるわけではないですが、逆に不満も少なくどこを取っても水準以上という安定感で、このあたりはさすが老舗の面目躍如といったところですね。
「ダウンロードからのオフライン視聴ができない」という欠点はかなり最近まで引きずっていましたが、今ではダウンロード機能が追加されたことで解消されています。
あえて難点を挙げれば“同時視聴ができない”“倍速再生ができない”というところ。
とはいえ、このふたつはほとんどのVODが対応できていない機能なので、比較する上で決定的なデメリットになるわけでもありません。
あとは、VODの中では無料トライアル期間が2週間で、ダントツに短いのが気になるくらいですね。
➡スペックは極めて普通! 欠点は少ないけど大きなメリットも無し!
Hulu|コンテンツはどうなの?
Huluは公表作品数だけを見ると上位陣にはかなり差をつけられていますが、独占配信状態の作品も多いので、実感できるボリューム感や見所の多さで言えばトップクラスと言っていいでしょう。
国内作品も含め、映画,アニメ,ドキュメンタリー,バラエティと、どのジャンルも水準以上。
安さや特典に頼らず動画コンテンツだけで勝負するストロングスタイルだけあって、ラインナップにスキがないのはさすがです。
特に海外ドラマについては、「海外ドラマはHulu」というキャッチが今も不変の充実度、ライバルNetflixとトップ争いにしのぎを削っています。
もうひとつ特筆すべきはヒーロー特撮の充実度で、これもVODの中ではダントツです。
難を挙げるなら、映画ラインナップがやや弱いこと。
作品数はそれなりですが、当たり障りのない定番作品が多く個性に欠けるので、シネフィルやマニアックなリスナーには物足りないでしょう。
➡海外ドラマ、ヒーロー特撮は最強レベル! 国内作品も充実でバランス良!
Hulu|コスパはどうなの?
HuluはVOD業界では標準的な料金で、低料金サービスも増えた今となっては決して格安とは言えませんが、総合的に見ればコストパフォーマンス面では十分に納得できるクオリティです。
ただし、コンテンツが全てのVODなので見たい作品がなくなると料金が無駄になります。
数ヶ月程度お休みするか他のVODに乗り換えておいて、後で戻ってくるというのがベストな利用法ですね。
➡見たい作品さえあれば、コスパは良好!
Hulu|メリットデメリットをまとめてみた!
メリット|Huluのここが魅力!
● 最強レベルの海外ドラマラインナップ
● 国産コンテンツも充実して全体的にバランスが良い
● リアルタイムの専門TVチャンネルも配信
デメリット|Huluのここが微妙!
● 同時視聴ができない
● 映画ラインナップがやや弱い
● 無料トライアル期間が短い
長年Hulu=海外ドラマという印象が強くて今もそれは健在ですが、とにかくバランスに優れていてどんなリスナーでも楽しめる作品が見つかると思います。
この価格帯で同時視聴ができないのは少し残念ですが、他には特に致命的なデメリットも無いので、どこに加入するか悩んでいるリスナーにはオススメしやすいですね。
➡ビギナーから上級者まで誰にでもオススメ!
総評|Huluのまとめ!
Huluと同じく外資系で海外ドラマが売りのNetflixとは、ライバルポジションと言ってもいいですが、メジャー感が強く一般ウケもいいHuluと、ターゲットをマニア層に特化したNetflixと言う具合に棲み分けられています。
海外ドラマの配信にしても、見事に作品が被らないような組み合わせになっていますね。
しかし、Netflixが独自のオリジナル作品に力を入れてVODとして進化を続けているのに対して、Huluは良くも悪くも既存コンテンツ頼りに傾いているのが気になるところです。
海外ドラマも一時期ほどの勢いが感じられず、独占契約していたHBOも契約切れでAmazonに持って行かれるなど、気になる要素も散見されます。
➡安定感はダントツだがやや停滞感あり。さらなる進化に期待!